どんな医師になりたいと思い、医師を目指したのですか?
わたしは「なんとなく」医学部に入学したので、どのような医師になりたいかといった目標も持たないままこの道へ進みました。大学生活や、日常業務の中で今でも考え続けるテーマであり、だんだんとその目標は変わっていくと思います。しかし、「患者さんの困難に寄り添い共に解決したい」という部分は変わりません。
実際にどんな研修をされていますか?
他の研修病院と同様、内科や外科、整形外科や小児科など、自分の興味のあるなしにかかわらず様々な科をまわり、その科ごとの知識・技能を吸収しています。当院を含む民医連系の病院は「無差別平等の医療」を主要な柱の一つとしており、患者さんの医学的な問題だけでなく社会的な問題まで踏み込んだ医療のやり方を実際に見て、実践して学ぶことができます。金銭的な問題で満足な医療を受けることの難しい患者さんに、生活保護や無料低額診療などのサービスを紹介したり、入院の原因となった病気は良くなったけれどもそのまま家に帰るのには不安がある患者さんの自宅へ、リハビリや看護師などコメディカルのスタッフと共に退院前訪問を行ったりといったことも行います。
中四国の民医連系病院では月に一回各県持ち回りで症例の勉強会も開かれています。他病院の同期がどのような研修をしているか、どんな患者さんをもってどんなことを経験し、何を感じたかを知る貴重な機会になっています。
自身の将来ビジョンをどのように描いておられますか?
私の現在の志望科は救急です。将来的には地元である愛媛で救急科の医師として働く予定ですが、後期研修では都市部の3次救急病院へ行って経験を積んでこようと思っています。
救急は、病院とリソースのキャパシティがある限りどんな背景の、どんな疾患の患者さんでも受け入れ対応する科です。そのために初期研修医の今、科を選ばない知識と技能、患者さんの背景や考え方などで差別しないというポリシーを勉強する必要があります。後期研修と全く違うタイプの病院というだけでなく、医師として働く上でのポリシーは初期研修の今だからこそ学べると思います。その気持ちをもって日々の研修に臨んでいきます。